全国木材検査・研究協会







(1)製材の日本農林規格
木材は、木造建築の重要な資材です。建築に用いる木材については、寸法、材質、強度性能等の品質が明確で安全性に優れた規格木材の供給が重要な課題になっています。

さらに、木材利用の推進は、地球温暖化防止対策に向けた取り組みとしても、重要な課題として位置付けられています。

これらの課題を達成するため、日本では木造建築物等に使用される構造用、造作用、下地用等の製材の規格が制定され、施工の合理化並びに木造住宅及び木造建築物の振興への寄与を目的として、「製材の日本農林規格」及び「枠組壁工法構造用製材及び枠組壁工法構造用たて継ぎ材の日本農林規格」が制定されています。
「製材の日本農林規格」、「枠組壁工法構造用製材及び枠組壁工法構造用たて継ぎ材の日本農林規格」の内容については、[関連法規一覧]を開いてください。
(2)日本農林規格の区分
「製材の日本農林規格」(平成25年6月12日農林水産省告示第1920号)は、一般材(構造用製材、造作用製材、下地用製材及び広葉樹製材)押角、耳付材及びまくら木(「製材」と総称する。)に係る規格を規定しています。

「枠組壁工法構造用製材及び枠組壁工法構造用たて継ぎ材日本農林規格」(昭和49年7月8日農林省告示第600号)は、枠組壁工法住宅に用いる製材の規格を規定しています。
表1 日本農林規格の区分
注:
押角は下地用製材に、耳付材は造作用製材、下地用製材及び広葉樹製材に、まくら木は下地用製材及び広葉樹製材に含みます。
○材種の区分

製材の日本農林規格では、製材の材種を次のように区分します。

表2 製材の材種別定義
(3)日本農林規格の基準
製材の日本農林規格は、上記(2)の区分別に、品質と表示の基準を規定しています。

品質基準は、材面の品質(節、丸み、貫通割れ、目まわり、繊維走行、腐朽、曲がり等)、インサイジング、保存処理、含水率及び寸法を規定しています。

表示基準は、表示事項、表示の方法及び表示禁止事項を規定しています。
(4)乾燥処理について

乾燥処理は、木材に含まれる水分量を減少させる処理で、処理方法には、人工乾燥処理と天然乾燥処理があります。

製材の日本農林規格において、人工乾燥処理とは「人工乾燥処理装置によって人為的及び強制的に温湿度等の管理を行うこと」、天然乾燥処理とは「人為的及び強制的に温湿度を調整することなく適切な管理のもと、一定期間桟積み等を行うこと」と定義されています。

■含水率の基準

人工乾燥処理製材の含水率の基準は、品目毎に表3のとおり温湿度環境に対応した平衡含水率(およそ10~20%)を目安に定められています。

表3 人工乾燥処理材の含水率基準と表示記号

また、天然乾燥処理製材の含水率の基準は、表4のように、乾燥していない生材が収縮しはじめる30%以下と定められています。
表4 天然乾燥処理製材の含水率基準と表示記号
■乾燥処理材の表示

構造用製材等の乾燥処理材は、未仕上げ材と仕上げ材に区分されます。

未仕上げ材は、そのまま使用するのではなく、工場出荷後の再加工を想定した寸法仕上げをしてない製材で、「D20」等と表示記号が表示されています。

仕上げ材は、乾燥後修正挽き又は材面調整を行い、寸法仕上げした製材で、「SD15」等と表示記号が表示されています。

天然乾燥処理材は、「乾燥処理(天然)」と表示します。

(5)強度性能の表示について
製材JASでは「構造用製材」の強度等級区分法として、「目視による等級区分法」と「規格による等級区分法」の二つの方法が採用されています。
目視による等級区分法

目視による等級区分法は、材面の品質に応じて等級区分を行う方法で、木材の強度に及ぼす節、繊維傾斜、割れ等、目視によって評価できる因子によって等級区分されます。目視等級区分構造用製材は、この方法で等級区分します。

強度に及ぼす節等の品質の影響は、使用時の荷重のかかり方によって異なるため、構造用製材のうち、主として曲げ・引張り荷重を受ける「甲種構造材」と、主として圧縮荷重を受ける「乙種構造材」とに分けて許容できる欠点の基準値が定められています。

表5 目視等級区分構造用製材の等級表示の例
機械による等級区分法
機械による等級区分法は、曲げ試験機等を用いて行う非破壊測定により得られた曲げヤング係数に基づいて強度の等級区分を行う方法です。

ヤング係数と木材の強さには、統計的に高い相関関係があるため、目視等級区分法に比べ、高い精度で木材を強さ別に区分できます。

機械等級区分構造用製材は、この方法で等級区分します。

機械等級区分構造用製材のJAS認定を取得するときは、全国木材検査・研究協会が認定した機械等級区分装置の使用が必要です。
表6 機械等級区分構造用製材の等級
目視等級区分構造用製材、機械等級区分構造用製材、枠組壁工法構造用製材の基準強度については、「建築とJAS製材(5)木材の基準強度について」及び[関連法規一覧]を開いてください。
(6)保存処理について
保存処理の性能区分
製材の日本農林規格で規定している保存処理は、防腐・防蟻処置及び防虫処理を対象としています。

保存処理の性能は、表7のようにK1からK5までの五つに区分され、性能別に使用薬剤とその処理基準(薬剤の浸潤度、有効成分の吸収量)が規定されています。
表7 性能区分
表8 薬剤及び記号並びに性能区分別吸収量基準
保存処理の表示
性能区分の表示は、「保存処理」又は「保存」の文字と性能区分記号により行われます。例えば「保存処理 K3」、「保存 K3」のように表示されます。

使用している薬剤名の表示は、薬剤名または薬剤の記号によってなされ、例えば「ナフテン酸銅乳剤」または「NCU-E」のように表示されます。
インサイジング機の認定
保存処理剤のJAS認定を取得する場合には、全国木材検査・研究協会が認定したインサイジング機(薬剤の浸透性を高めるために用いる木材の表面を刺傷する機械)を使用することが必要です。
(7)JASマークの表示例
構造用製材 人工乾燥処理構造用製材
天然乾燥処理構造用製材 保存処理構造用製材
機械等級区分構造用製材 造作用製材
人工乾燥処理造作用製材 下地用製材
人工乾燥処理下地用製材 人工乾燥枠組壁工法構造用
製材(甲種)
人工乾燥枠組壁工法構造用
製材(乙種)
保存処理枠組壁工法構造用製材
(甲種)
「製材の格付の表示の様式及び表示の方法」、 「枠組壁工法構造用製材の格付の表示の様式及び表示の方法」は[関連法規一覧]を開いてください。