全国木材検査・研究協会







(1)JAS製材品のメリット
JAS製材品のメリット
JAS製材品は、利用しやすいように用途別、製品別に項目を定めて規格化した製品です。このためJAS製材品は、全国どこでも一定の品質の製品が入手でき、品質も保証されています。
JAS製材品には、次のような良さがあります。
乾燥材のメリット
JAS規格では、構造用製材及び造作用製材の乾燥材の含水率基準は仕上げ材については20%以下の含水率に設定しています(枠組壁工法構造用製材については19%以下)。建築後、年数が経過した木造住宅の部材の含水率は、おおよそ10~20%です。木材の収縮は、含水率が約30%以下に低下してから始まるため、未乾燥材を使用した場合は、収縮による寸法変化が生じます。
保存処理材のメリット
木材は、湿潤状態に長期間放置されるなど、使用環境が厳しい場合は、腐朽、蟻害、虫害などによって短期間のうちに使用に耐えられなくなります。 JAS規格で規定する保存処理は、製材に木材保存剤を加圧注入して耐久性を伸ばします。木材を使用する環境条件により必要な耐久性能が異なるため、保存処理の規格では五つの性能区分をもうけ、使用する薬剤と木材に含まれる薬剤の基準を定めています(性能区分及び保存処理薬剤は、規格を参照してください)。
(2)建築法令への適合
建築基準法と建築材料
建築材料の品質は、建築基準法第37条(建築材料の品質)の規定により 「建築物の基礎、主要構造部その他安全上、防火上又は衛生上重要である政令で定める部分に使用する木材、鋼材、コンクリートその他の建築材料として国土交通大臣が定めるもの(以下この条において「指定建築材料」という。)は、次の各号の一に該当するものでなければならない。
一 
その品質が、指定建築材料ごとに国土交通大臣の指定する日本工業規格又は日本農林規格に適合するもの
二 
前号に掲げるもののほか、指定建築材料ごとに国土交通大臣が定める安全上、防火上又は衛生上必要な品質に関する技術的基準に適合するものであることについて国土交通大臣の認定を受けたもの」
と定められています。
※「建築基準法」、「建築基準法施行令」の詳細については、[関連法規一覧]をご覧ください。
建築基準法とJAS
一定高さ以上の建築物の安全性確保を目的として、平成18年に建築確認・検査の厳格化を内容とした概略図のような建築基準法の一部改正が行われました。
さらに、「木造計画・設計基準」、「公共建築木造工事標準仕様書」等にJAS製材品が位置づけられたため、建築材料においても品質・強度等の基準に適合したJAS製材品の需要が増大すると思われます。
木材の基準強度について
国土交通省は、JASの目視等級区分構造用製材、機械等級区分構造用製材、枠組壁工法構造用製材等について、樹種、等級ごとの基準強度を「木材の基準強度Fc、Ft、Fb及びFsを定める件」で定めています。
木造計画・設計基準におけるJAS規格
国土交通省大臣官房庁営繕部は、低層の木造公共建築の設計指針となる「木造計画・設計基準」を制定・公表しました。この基準でも工法別に使用する材料として製材又は枠組材のJASが位置付けられています。
公共建築木造工事標準仕様書におけるJAS規格
国土交通省官庁営繕部及び地方整備局等営繕部は、官庁施設の営繕を実施するための基準として「公共建築木造工事標準仕様書」を制定・公表しました。この仕様書でも工法別に使用する材料として製材又は枠組材のJASが位置付けられています。
枠組壁工法又は木質プレハブ工法を用いた建築物又は構造物の構造用部分の構造方法に関する安全上必要な技術的基準を定める件」において、構造耐力上主要な部分に使用する枠組材の品質にJASが指定されています。