1.製材とJAS規格
建築物の構造用に係わる製材について、施工の合理化し、木造住宅及び木造建築物の振興を図るため、多種類の流通寸法の標準化・簡素化、木造住宅の高品質化のための乾燥材の供給拡大、木造3階建て住宅や中・大規模建築物の増加等に対応した製材の強度性能の明確化などを目的として、建築物の構造部分の用途のため、「針葉樹の構造用製材の日本農林規格」(平成3年)を制定しました。
さらに、用途別の規格化を推進するため、針葉樹の造作用製材(平成8年、以下同じ)、針葉樹の下地用製材、広葉樹製材のJAS規格を制定しました。
このほか、枠組壁工法構造用製材(昭和49年)、押角、耳付き材等の規格があります。
(この前後、JAS協の許可を得る)
2.JAS規格の主な区分(平成19年5月現在、以下同じ。)
[関連法規] ・「JAS規格へのリンク」
3.針葉樹構造用製材の規格
(1)寸法と寸法基準
寸法について、標準寸法は138種類あります。ただし、仕上げ材にあっては、規定寸法といいます。
(構造用製材は、甲種構造用T・39種、甲種構造用U・99種、乙種構造用・138種)
寸法の基準は、乾燥区分及び製材寸法の区分が75o未満と75o以上の2区分により、
表示寸法と測定寸法との差が規定されています。
(2)材面の品質(造作用製材、下地用製材ほかの等級区分を省略)
材面の品質(次の欠点因子項目で判定)によって等級区分されます。
(3)基準強度
構造用製材のJAS製品には、国土交通省の通達により樹種、等級ごとに許容応力度が設定されています。(平成12年5月31日建設省告示第1452号)
甲種構造材1級の基準強度の例を掲示します。
(4)JASマークの表示例
下の表示例は、針葉樹・構造用製材・目視等級区分構造用製材のJASマークです。
保存処理製材の場合は、等級の下の欄に性能区分(例:K3)及び薬剤名(例:ACQ)を表示します。
針葉樹の造作用製材、下地用製材、広葉樹製材についても基本的に同じです。
4.乾燥区分(ここには、全てのJAS製材の乾燥区分を記載します。)
[関連法規] ・「木材の基準強度へのリンク」
5.保存処理製材
保存処理とは、主に南洋材などを食害するヒラタキクイムシの防除を目的とする防虫処理と、シロアリの食害及び腐朽菌による木材の劣化を予防する防腐・防ぎ処理があり、あらかじめ乾燥させた素材に加圧注入法により木材の中に薬剤を含浸させる方法を言います。
保存処理材は使用目的・場所によって薬剤と性能基準(K1〜K5)を選択します。
6.枠組壁工法構造用製材
枠組壁工法を用いた建築物(住宅の場合、一般にツーバイフォー住宅という)の構造耐力上、構造部材として使用する製材で、JAS製材を使用する必要があります。
(1)規格の等級区分と構造部材の指定
(2)規格寸法
厚さ及び幅ごとに規格寸法とし、乾燥材(D)及び未乾燥材(G)に区分して寸法型式として104 から 408 まで14種類を規定しています。
ツーバイ材の規格寸法の例。
(3)JASマーク
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